パリでお世話になった元大阪人トモヤンのダンナはリベヤン、リベルトさんだっけかな?という名前のスペイン人で、ギタリストでギター職人。モンマルトルにある、かわいらしい間口のウナギの寝床のようなギター工房は、いろんな工具、薄かったり細長かったりいろんな形の木材、作りかけの楽器、完成した楽器、塗料、金具、図面、なんか変な記譜法のも含まれている楽譜、CD、テープが、山のように、だけどどこに何があるかは把握されている感じでぎっしり積まれている。楽器はギターだけじゃなく、ウードや、名前は忘れちゃったけど亀の甲羅やアルマジロの甲羅がボディの楽器や、マンドリン、ウクレレ、ウクレレの原型になった楽器、ギターをのぞけば同じ種類の物は2つないたくさんの種類のギター系楽器。それぞれリベヤンの作ったものも修理したものも。
こういう作る博物学みたいのはもうまったくツボで、自分でもビックリするくらいツボだったってことがわかって、テンション上がりっぱなしで、しかも一段下がった奥に弟子がいるなんて言われたもんだから「アマザワセイジくん?!」とキュンとなってテンション最高潮で奥へいくと、アマザワくんどころか、ジャンピエールレオーどころか、てっぺんがはげ上がったおじさんで、ボ、ボンジューグと言ってようやく少し冷静になる。
ロクスケには別に好きにしなよって思っていて特に望みなどなかったのだけど、一つだけ、楽器は好きになってくれたらいいなぁ、特にギターとかやんないかなとおもっていたので、そろそろどうかなと聞いてみたら、まだ早い7歳からだ、と明言されて根拠はよくわかんないけど納得しつつ、しかし、サブリミナルに間接的に暗に背後から死角から盲点をついて知らぬ間にギター職人の夢をロクスケにインプリントして、「モ、ゼッタイ弟子入りさせちゃるけんね」と思わず谷岡ヤスジ口調でモンスター化するペアレント、いやペアレンツなのであった。
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