2008年4月11日金曜日

スプリング・サンダー

今回は時差ボケがひどくて
ぼんやりとしてしまい、
何しに来たんだかわかりゃしない

膜がかかって遠雷のよう

なにもかもが。

なんとなくそのまま帰る気がしなくて
家をやりすごして、家から50mほどの堤防へ。
海と空との境目が、いまの気持ちとそっくりに
膜がかかって曖昧な中に
遠く木更津までの光がちかちかしている。

ふと、この堤防のコンクリートの感触も
光の列が行き過ぎる京葉線の眺めも
海と空の境目があいまいなこの海も
さらには寄る辺ないこの気持さえも
20年前に家をやりすごしてやっぱりこの堤防に
もたれかかっていたあの時と全然変わりがないことに
気づいて笑ってしまう。


この寄る辺なさをかろうじて
この世に結びつけるこの身体が
いつか滅びようとは


ならば


ならば


すべてをすてて今夜荷物まとめて
サボテンもってレコードもって
やりかけだったパズルをすて
車に乗って夕日に沿って
知る人もいないとこに着くまで
(『サボテンレコード』)

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