2008年4月2日水曜日

茶釜ステーション

Jalでもそうだと思うんだけど、
ANAの機内プログラムには
おじさん向けの邦画が必ず一つ入っていて、
これまでは『寅さん』シリーズだったんだけど
(もちろん、必ず見る)


今回は、

なんと!

『駅前茶釜』!!


『駅前シリーズ』っていうのは、
東宝で1957から1969にかけて
全24作が作られた、
ロングランシリーズである。

森繁、伴淳、フランキー+マドンナ
(寅さんと違ってマドンナはほぼ固定。
駅前茶釜では淡島千景。
たいてい未亡人役、というように
やや年増趣味に応える設定。
ここらへんも寅さんと違う)
というスターシステムで、


テレ東の土曜午後あるいは深夜帯、
年末年始の深夜帯の定番だったので、
そしてなぜか僕は子供の頃から大好きで
(特急シリーズとかね、とにかく
プログラムピクチャーが大好きだった、いや、です)
かならずといっていいほど見ていたので、
僕の、趣味や感情形成を考える上で
欠かすことの出来ない作品群なのである。


とはいえ、感情形成に資するような
高尚な内容は全く含んでいなくて(笑)、

まあ、美人(未亡人)を巡る森繁、伴淳、フランキーの
どたばたといえば24作品全部を要約できてしまう(笑)。


寅さんや特急シリーズも含め、
シリーズものの一つの重要な特性である
「ご当地もの」の性格をこの駅前シリーズも
備えているのだが、東宝だけに寅さんとは違った
洗練された都会的「地方」として描かれており、
(やや日活の無国籍に近い)


また、森繁というと、もっさりした俳優という
印象をもたれる方も多いと思うが、
次郎長三国志での石松役に見られるように、
本来は小気味よく身体の動くアクション俳優で、

やっぱり身体の動く伴淳とフランキー
(伴淳は小気味良さというのとはちょっと違うけど)
とからんで、

全体としてとても洒脱な
アクションコメディーになっていて

雷雲間近の地上35000フィートの暗がりで
またしてもシビレてしまい、


スターアライアンスメンバー
オールニッポンエアウェイズよ、
俺はどこまでもついてくぜ、
と星飛雄馬より太い涙を流しつつ
拳を握るのだった。




私のフライトは感情的に
とても忙しいのである。

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