2008年6月28日土曜日

行灯

カルチュラル・タイフーンでもとえさんとあべさんのMEGAHOUSE を初めて見る機会を得た。


あの「システム構成図」しか見たことなくて、「没入型カタログ」のことは全然しらなかったので、薄暗い展示会場に無防備に入り込んで巨大な行灯がいきなり現れたその美しさにしばしぼんやり見入ってしまった。企図された視点じゃないのでなんだか申し訳ないんだけど、トレペが映像を映してできた薄い膜や、それらが光る立方体を構成しているのには釘付けになってしまう。CAVEやCABINなどのいわゆるIPTをすごく身近にあった分やや型落ち扱いしていたけど、おもしろさを再発見した。没入、という意味でも、光る箱、という意味でも。特に今回はスクリーンにあたるトレペがほとんどフレームレスの状態でテグスで宙づりになっていたのが効果としては大きい。それから、スケール。ドイツでの展示よりスケールダウンしてあるそうなのだが、もう少し大きいと今日のような光る箱としての「誤読」は出来なかったろう。


しかしまあ、とにかく光るものが大好きで、もう10年ほど前になるかな、夜な夜な光る看板とかネオンとか自動販売機とかを撮り歩いてコレクションしてたほどだし、ねぷたを見て東北に来てほんとによかったと思ったほどの発光体というかリアプロ映像というか幻灯というか行灯好きなので、あまり一般的な感想とは言えません(笑)が、行灯がお好きの向きは明日6/29っきりで展示がおわっちゃうので是非!


いやいやいや(笑)。建築や都市を考える方々ももちろん必見ですよーっ


本来の企図から言ってこれまでちょっと誤解してたのは、「よりダイナミックなレオパレス」つまり半日とか一時間とかで移れる「貸間」として理解しちゃってたところで、次のセッションがあったのでほんのちょっとの間の体験からだけの判断で間違っているかもしれないんだけど、カラオケルームとか音楽スタジオとかがあったことから、もっと細かく生活や行動をモジュール化して都市空間にちりばめているのだとわかってワクワクした。つまり、急いでメシ食わなきゃいけないんだけど近くに「空きキッチン」ないかなぁ、って探して、大急ぎでレバニライタメかなんかちゃちゃっと作ってかっ込んで、MTGの準備も、MTGも、打ち上げも帰って(?)寝るのもそれぞれ時宜にかなって適切な別の場所を使う、という、たぶんそんな感じで(どんなかんじだよ)、都市生活のよいところは何も持たなくてよいところだと思うので、分散型ホテル暮らしっていうか、すがすがしくて気持ちのよい「設計」だなぁ、と思えた。それに、僕の好きな空間を日本中でどんどん壊してぴかぴかにしてしまう、あのモノの流れでしかお金が生み出せないマッチョ思考に対置する一つの対極ってたしかにこうだなぁ、とも思えたのだった。

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